切手で知るドイツ 2011年 9月号

始祖鳥アルケオプテリクスの発見150
150 Jahre Entdeckung des Urvogels Archaeopteryx

化石の中でも特によく知られている始祖鳥「アルケオプテリクス」の最初の化石は1860年にバイエルン北部フランケン地方・ゾルンホーフェンのジュラ紀石灰岩層で発見され、これまで世界で唯一、この地方だけで10片が発掘された。この地では古生物の化石が多数見つかっており、始祖鳥以外にもここでしか見られない多数の化石種が発掘されている。1860年にはダーウィンの「種の起源」が発表され、始祖鳥の化石は進化の意義にとって貴重な存在だ。始祖鳥は爬虫類の特徴を持ち、恐竜から鳥への移行期に生息、小型の肉食恐竜から進化したことがわかっている。始祖鳥の化石は約1億5000万年前のもので、最もよく保存されている標本はベルリンの自然博物館で展示されている。
ベルリン標本は1877年に発見された番目の化石で、その発見とその後の経緯は注目に値する。最初の化石は、ダーウイン理論の反論者であるイギリスの自然科学者で Dinosauria(恐竜)という言葉をつくったリチャード オーウェンが700ポンドで買い上げ、初めての標本を失ったドイツ(プロイセン政府)は必死でさらなる発掘を進め、番目の化石を守ることに腐心したという。発見者は化石を料理屋の主人に牛と交換し、有翼恐竜と理解したこの経営者は化石をある官吏に300マルクで売った。官吏は化石の彫影がさらによく現れるように手入れをし、1879年に万マルク(今日の価値で50万~100万ユーロ)で転売した。この高額を支払ったのは、機械技術会社ジーメンスを設立し、当時プロイセン科学アカデミーおよびベルリン人類学・民俗学・原始時代史協会会員だったヴェルナー フォン ジーメンスで、貴重なドイツの化石が外国に流れてしまうのを防ぐためであった。後日プロイセン政府はジーメンスから化石を同じ料金で買い上げた。ベルリン標本には彼の名をとって、Archaeopteryx Siemensiiと名づけられた。ロンドン標本が頭部をもたないのにくらべ、ベルリン標本には完全な頭部が残り、発見されたすべての化石の中で最も保存状態がよく、美しいといわれる。
記念切手と共に、10ユーロ記念硬貨も発行された。
55セント)


青少年切手「天文学」
青少年育成のための寄付金つきシリーズ切手。
馬頭星雲(45+20セント)
太陽系(55+25セント) 2種
プレアデス星団(145+55セント)

シリーズ「切手の日」
ドイツ切手の日75
55+25セント)


ティル オイレンシュピーゲル500
500 Jahre Till Eulenspiegel

中世の風刺・滑稽・いたずら話民衆本の主人公ティルの物語は1511年ごろにブラウンシュヴァイク(ハノーヴァーの東方約50km)の税官吏ヘルマン ボーテによって民間伝承が集められ、95章からなる「ティル オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」として編纂、加筆された。教会関係であろうと、世俗世界のテーマであろうと、権力の歪みをからかい、笑いものにしてしまい、しかも彼の言葉は説得力があるので多くの民衆の支持を受け、大評判となった。発行後近隣諸国で翻訳も出るようになり、後世には音楽、映画、児童文学などにも取り入れられた。ティルを題材とした音楽では、リヒャルト シュトラウスの交響詩「ティル オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」が特に有名だ。
ティルは14世紀に実在した人物とも言われ、彼が晩年を過ごし、ペストで病死したというメルンMölln(ハンブルクの東方45km)には彼の銅像や博物館がある。伝説では、銅像の親指をつかむと幸せが訪れる、という言い伝えがあるそうだ。記念切手と共に、10ユーロ記念硬貨も発行された。

55セント)

ハンブルガ-エルプトンネル 100