「ディオニュソス」展  




バッコスとアリアードネ *
古代ギリシャの神々の中でもディオニュソスほど長い間人々の関 心を呼び起こした神はいないだろう。哲学者ニーチェが理性と自制を象徴する神アポロンと対比させるほど、ディオニュソスは規律の境界を越え、野性的で計り 知れない力をもっているとされた。ワインの神、歓喜の神は陶酔の神でもあり、豊穣・多産の神としてワインを飲みながら勝利の行進をし、好色の象徴であるサテュルスと野性的な女性たちに囲まれて絵画に描写される。

古代ローマ時代にはバッコスと呼ばれ、イタリアルネッサンスには生命の勝利として芸術家が好んで 題材とした。バロック時代にも生きる喜びと自然的な感覚のシンボルとして描かれた。バッコスとアリアドネは恋人のペアとして描かれた。20世紀にも画家は自画像をバッコス様に描き、ワイン神の世界に遊ぶ歓喜に浸ることがはやっていた。当展では、古代から現代までの作品により、ディオニュソスの奔放な世界に改めて歩を進めようとしており、非常にわかりやすく古代の世界を理解できるだろう。ワインファンにぜひお勧めの美術展だ。

【注 ディオニュソスとアリアードネの物語】 旅の途上のナクソス島で恋人のテゼウスに捨てられたアリアドネが悲しみにくれていると、愛の女神アフロディーテ(ローマ神話ではヴェーヌス)が哀れに思い、素晴らしい神様の恋人を差し向けてあげるといって慰めました。この島はディオニュソスのお気に入りのところで、彼はアリアードネをいとおしく思い、慰めの言葉を尽くして妻にしました。そのとき結婚の贈り物として、宝石を飾った黄金の王冠を彼女に与えました。彼女が亡くなったとき、ディオニュソスは宝冠を空に投げあげました。空にのぼるにしたがって宝玉はますます輝きを増し、ついに星に変わり、アリアードネの冠の形のままで星座となって、ヘラクレスと蛇をつかんだ家来との間に永遠にとどまっています。

「ディオニュソス」展はザクセン州立ドレスデン芸術コレクションの協力を得て実現し、ドレスデンでは2月6日から6月10日まで展示される予定。

2014・1月12日まで
Hamburg, Bucerius Kunst Forum
Rathausmarkt 


Foto* Caesar Boëtius van Everdingen (1617-1678): Bacchus und Ariadne, um 1650, Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden